99%ロマンチック

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映画脚本家になるべく短編シナリオで修行中

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シナリオ練習2~商人の話短編2~

めっちゃ長くなった。なのにリンゴの木に会えてません(´;ω;`)

前のを読んでくれた方ありがとうございます。意外と多くてうれしかった。

話が分からない人は前のやつ読んでください。

http://reona-kinoko.hatenablog.com/entry/2017/07/09/033123

 

商人の話短編

 

リンゴの話

〇ミャオキャット酒場
   マスター、商人を見たままリンゴに齧りつき、慣れた手つきでラジオを消す。
   大男と酔った男、カウンターに肘をつき、リンゴを食べながら、商人の話を聞いている。
   物騒な男、視線は変えずカウンターに向かい合ったまま、真剣にリンゴを食べている。
   商人、みんなを見まわし
商人「昼下がりの森で、その事件は起こった。」

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〇想像・草原(昼)
   遠くに緑豊かな森が広がっている。
   豪華な衣装を身にまとい、輝いた剣を腰に携えた王子、毛並みの整った馬にまたがり草原を走っている。身に着けているマントがひらひらと舞う
商人(N)「王子はいつものように乗馬の訓練をしていた。乗馬っていうのは、一人前の王子になるのに必要不可欠な特技なんだ。」
王子「ハイヤ!ハッ!」
   馬に乗った王子、森の中に入っていく
酔った男(N)「へへっまたえらく胡散臭い奴がでてきたな」

〇同・森
商人(N)「そう思うだろ?でも彼は本当にすごいやつだった。優しいし」
   王子と馬の前を枝が遮る。
王子「やぁっ!」
   王子、剣を使ってその枝を馬に当たらないように切る。
王子「大丈夫だったかい?」
   王子、馬を撫でると馬はうれしそうな顔して
馬「ヒヒン!」
商人(N)「それに、強い!」
   森の奥に入っていく、王子と馬。
   王子、気配を感じ馬をゆっくり止め、馬から降りる。腰にある剣に手を添えて、叫ぶ。
王子「誰かいるんだろう!出てこい」
王子の前に無精ひげを生やした盗賊3人が、剣片手に獲物を狙う目つきで草むらから現れる。
   盗賊達、いやらしくにやつき
豚鼻の盗賊「へっへっへっ最高だ!お宝の方から来たぜ。」
リーダー盗賊「運が悪かったなぁ。貴族の坊ちゃん。死にたくなかったら馬とその服をよこしな!俺ら金なくて困ってんだ!」
アホな盗賊「うひゃひゃひゃ、へへへへへ」
   アホと豚鼻、王子の後ろに回り込む。
   盗賊達、にやにやしながら、三角の陣形で王子の周りをクルクル回る。
   王子、剣の柄を握り、かまえる。
リーダー「お前らかかれ!」
豚鼻「うおおお」
   豚鼻の男、振り上げた剣を王子に振り下ろす。王子、それを横にずれて避けて剣を鞘から引き抜き柄頭で豚鼻の腹をつく。
豚鼻「おおお!うっ」
   豚鼻の盗賊、前のめりになり腹を押さえて倒れる。
アホ「うえええええい!」
   馬の後ろにいたアホ、王子に襲いかかるが馬の後ろ脚で蹴られる。
アホ「ほおっ!」
   アホ、吹っ飛ばされ遠くの木にぶつかり茂みの中で倒れる。
   王子、馬の方を見て
王子「おみごと!」
   馬、どや顔で
馬「ヒヒン!」
   馬、すぐに焦った顔に変わり、前足で前向くようにジェスチャーする。
王子「なんだって?」
   王子、前を向くと、すぐ目の前にリーダー。
リーダー「俺様の前でよそ見とはいい度胸だ。」
   リーダー、王子に剣を横振りする。
王子「おっと」
   王子、しゃがんで避けて、後ろに回りこみ片手で背中を押す。リーダー盗賊叫びながらたおれる。
リーダー盗賊「うわあああ」
   リーダ盗賊、混乱するが目を開けると馬のお尻が迫ってくる。
リーダー盗賊「ぎゃあああ」
   馬にのしかかられると、リーダー盗賊の片手が地面を叩く。
   王子、それを見て笑う。
王子「ははは。もういいよ。」
   馬、立ち上がって満足そうに尻尾でおしりの砂を払う。
リーダーくしゃくしゃになった顔、まずそうな顔で舌を出し。
リーダー盗賊「ぺっぺっぺっ。降参だぁ見逃してくれぇ」
   王子、腰に両手をあてて
王子「もう二度とこんな真似するなよ!」
リーダー「すいません!もうしません!」
   豚鼻、倒れたまま枯れたような声で
豚鼻「あにきぃ」
   王子、身なりを整え、馬を撫で飛び乗る。
王子「さ、いこう」
   王子、馬を進めようとするが、気が変わったように馬を止め降りる。
   王子、倒れているリーダーの元へ行き、マントを外し、リーダーに渡す。
王子「困ってるんだったよな。今はこれくらいしか渡せないけど、、、」
リーダー盗賊「ありがてえ、ありがてえ」
   王子、馬にまたがろうとする。
   アホ、草むらから矢を射る。
   飛んできた矢は馬のおしりに刺さり、馬が暴れる。
   馬、暴れて森の奥に入っていく。
   王子、去っていく馬を呼びかけた後、盗賊達の方を怒りながら見る。
王子「よくもやってくれたよなあ!」
   王子、拳をつくり怒りを抑え、馬が走っていった方に向き直し、森の奥へ走っていく。
商人(N)「こんなパーフェクトな王子にもひとつ欠点があった。」

〇同・森の奥
   光が木々に遮られ、少し暗くなった森を歩く王子。馬を呼びかける。
王子「おおおい。もう帰ろうよ!」
   辺りを見回しても何の気配もない。
王子「はあ、迷ったぁ」
商人(N)「方向音痴だ。」
王子「おーーい。誰かいませんかぁ」
王子「おーーーい」
   突然、どーんっと大きな音とともに木々が揺れ鳥たちが一斉に飛び立つ。
   王子もまた驚き、そして音の鳴る方へ向かう。
商人(N)「これがリンゴの木との出会いさ」

~つづく~

 

冒頭でも言いましたがけっこうな人に読んでもらえて、うれしい限りです。

まだまだ未熟者なので、悪いところとか、直した方がいいところがあればぜひ教えてください!

ではここまで読んでいただき、ありがとうございます!