99%ロマンチック

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映画脚本家になるべく短編シナリオで修行中

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シナリオ練習

長くなったんで、今日は短編に移るまでの話。

 

商人の話短編1

 

 


登場人物

商人(46)酒場に不思議な食材を売りに来る
マスター(47)酒場のオーナー兼マスター
大男
物騒な男
酔っている男
王子(24) みんなの妄想

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〇ウエスタン通り(昼)
   通りの人々、各々が店の支度や生活をしている。
   遠くから聞こえていた足音が徐々に大きくなり、商人(46)の後ろ姿が登場する。
   商人、膨れた麻袋を担ぎミャオキャット酒場のドアへ向かう。

 


〇ミャオキャット酒場・店内
   店のなかは客が少なく、3人だけカウンターに座ってお酒を飲んでいる。右から大男、物騒な男、酔っぱらった男である。
   マスター(47)、みんなにお酒を注ぎ終わると、料理を作り始める。
大男「おいおいこりゃサイズが違うぜぇマスター。客はこねえんだし、もっと羽振りよくしてくれよ」
   大きな男、ショットグラスに入っているお酒を一飲み。
   大きな男、倒れる。
酔った男「いっひひひっ。こいつにもう1杯注いでやってくれよ。でもそのグラスより小さい奴で頼むぜ。」
マスター「はいはい。大男サイズで値段も倍ね」
   酔った男、大笑いしていると、物騒な男が静かにするようにみんなに促す。
物騒な男「しっ。誰かくるぜ。。。」
   物騒な男、懐の銃に手を添え、ドアを横目で見る。
   大男、死んだふりをする。
   酔った男、固唾をのむ。
   マスター、ドアの方をちらりと見る。
   緊張感が漂う中、扉が開き商人が入ってくる。
商人「やあ、こんちわ!」
   商人、片手をあげ挨拶。
   みんな、緊張がほぐれたようにほっとする
   大男、椅子に座りなおしながら、物騒な男の背中をたたく。
物騒な男「、、、、すまねぇ」
   マスター、大男にさっきよりも少ない量のお酒が入ったショットグラスを差し出しながら商人に言う。
マスター「いらっしゃい商人。久しぶりだななんにする?」
   大男、そのショットグラスを不思議そうに持ち、調べる。
   商人、担いでいた麻袋を酔った男の横のカウンターに置く。
商人「次の取引先もあるから飲まないでおくよ。それより聞いてくれ今日はすごい品物が手に入ったんだ!んで、おたくのところに真っ先に来たってわけ。」
マスター「いつも助かるよ。ほら、、サービスのコーヒーだ。」
   マスター、商人にコーヒーを差し出す。
   商人、椅子に座って
商人「ありがとう」
   みんな、麻袋を見つめる。
酔った男「珍しい酒なんだろう?一番に飲ましてくれよぅ」
大きな男「いや、野菜だろ。」
酔った男「けっけっけっ。ここは酒場だぜ?なんで野菜なんだよ。酒場ですごい品と言ったら酒しかないだろがよぉ」
物騒な男「、、人殺しの武器、なんだろ?」
   酔った男、大男、物騒な男の言葉で固唾を飲み込みマスターと商人を交互に見つめる。
   物騒な男、腰の銃に手を添える。
   商人、笑って
商人「ははは、でっかい人が正解。野菜と果物さ」
   商人、麻袋からリンゴとピーマンを取り出だす。
   緊張が解けた3人。
酔った男「このぉいい加減にしろぅ」
   酔った男、物騒な男の頭をはたく。
   物騒な男、ずれた帽子のつばを持ち上げ、キメた顔で
物騒な男「すまねえ、、」
   商人、大男にリンゴを投げる。
商人「正解者にはプレゼントだ。うけとって」  
   大男、落としそうになるが、ギリギリキャッチする。
酔った男「ひひひ、ナイスキャッチ」
大男「なんだこれは?」
商人「それはリ・ン・ゴだ。かじってみて」
   大男、マスターを見る。
マスター「こいつは信用できる奴だ。毒はないだろう。」
   大男、物騒な男を見る。
物騒な男「俺なら食わねーな。二人でグルになってんだぜ。」
   大男、思いっきりかじる。
   大男、真顔で食べる。
大男「うめえ!!」
   大男、のけぞって椅子から落ちる。
大男「こんなの初めて食った」
   大男、倒れながらもリンゴを食べる。
   みんな、大男を覗き込む。
商人「ははは、おいしいだろう?」
   マスターと酔った男、商人に物欲しそうな視線をあてる。
   物騒な男、大男がかじったリンゴから汁が流れるのを横目で見る。
商人「仕方ない。みんなにそんな目されちゃ。サービスも大事だよね」
   商人、酔った男とマスターにリンゴを配る。
   商人とマスター、リンゴをかじる。
酔った男・マスター「うまい!」
商人「だろだろ」
物騒な男「俺のは、、」
商人「僕のリンゴには毒が持ってあるんでしょ?」
   物騒な男、帽子で顔を隠す。
商人「冗談だよ。はいこれ、でも次から僕のものはちゃんと信じて食べてね」
   物騒な男、こくりと頷く。
   商人、物騒な男にリンゴを渡す。
物騒な男「、、、ありがとう」
物騒な男、リンゴを受け取りすぐに齧る。
物騒な男「うまい。。。」
   商人、物騒な男をみて微笑む。
商人「よし!それじゃあみんな!食べながら聞いてくれ!このリンゴには物語がある。」
大男、起き上がり座りなおす。
商人「乙女の甘酸っぱい恋の話さ」
   酔った男、マスター、リンゴを食べながら商人の話を聞いている。
   大男、商人の話を聞きながら、大きなげっぷをする。

 

次は、リンゴのお話

 

~続く~